どうすれば「普通の営業マン」で、組織として勝てるのか
― 営業を“個人技”にしている限り、会社は強くならない ―
キーエンスの営業は強い。
その強さを否定するつもりはありません。
ただ、前回までで整理した通り、キーエンス型営業は「やり方」以前に、成立させるための前提条件が違います。
だから多くの企業が、真似ようとして苦しくなる。
では、キーエンスを真似られない企業は、どう戦えばいいのか。
ここからが本題です。
結論から言えば、目指すべきは「営業マンをスーパー化すること」ではありません。
今いる営業マンで勝てるように、組織として営業を成立させることです。
そのためにまず押さえるべきは、なぜそれが必要なのかと、いま何が課題なのかです。
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なぜ今、「普通の営業マンで勝つ組織」が必要なのか
1)会社の営業は、現実には“普通の営業マン”で回っている
どの会社にも、突出した営業マンはいます。
しかし現実の売上は、突出した一部だけで作られているわけではありません。
多くは、平均的な営業マン、迷いながら頑張っている営業マン、経験を積みながら育っていく営業マンが支えています。
この現実から目を背けて「一部の強者の勝ちパターン」を組織標準にしてしまうと、営業は必ず歪みます。
営業改革とは、本来、普通の営業マンが成果を出せるように「仕組み」と「支援」を整えることです。
ここを外すと、改革は“強い人だけが生き残る”方向に流れ、組織としては弱くなります。
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2)“個人技依存”は、経営として危険すぎる
個人技で数字を作っている組織は、一見うまく回っているように見えます。
しかしその営業力は、会社の資産ではありません。
退職、異動、病気、家庭事情、引退――
ひとつの変化で、成果が消える。
つまり属人化は、営業の問題ではなく、経営リスクです。
経営は本来「再現性」と「継続性」がなければ投資できません。
個人技に依存している限り、未来を作れないのです。
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3)行動量を詰めても、組織は強くならない
「もっと訪問しろ」「電話しろ」「案件を増やせ」
こうした行動量の圧は、一時的に数字を動かすことがあります。
しかし、持ちません。
疲弊し、数字合わせが増え、顧客の信頼が落ち、離職が起きる。
そして最終的に、組織の営業力が落ちる。
営業に行動量は必要です。
ただし、闇雲な行動量は“営業力”ではなく“消耗”です。
この切り分けができない会社ほど、営業が壊れていきます。
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4)営業マンは、会社の中で最も“孤独になりやすい”
営業マンは、外では競合と戦い、内では社内調整と戦い、さらに自分の不安とも戦っています。
成果を出したい。成長したい。評価されたい。家族を支えたい。
その思いがあるから踏ん張れる。
逆に言えば、組織が支えられない会社では、営業が持ちません。
営業組織の強さとは、根性論ではなく、営業マンが前を向ける状態を作れるかどうかです。
ここが整うと、普通の営業マンでも、驚くほど力を発揮し始めます。
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いま何が課題なのか
ここまでの必要性を踏まえると、問題は「営業マンの能力不足」ではありません。
課題はもっと上流、営業の設計側にあります。
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問題1)「どこに行けば成果が出るか」を営業マン個人に任せている
営業マンは基本的に、行きやすいところに行きます。
・仲の良い既存顧客
・話を聞いてくれる顧客
・過去に買ってくれた顧客
・クレームの少ない顧客
これは人間として自然です。
しかしそのままだと、未来の売上は伸びません。
売上を伸ばすには、本来、
“今は買っていないが、買うべき理由がある顧客”
に向かわなければならない。
ここを個人任せにしている限り、組織としての成長は止まります。
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問題2)「成果につながる進め方」が共有されず、再現できない
属人化した営業組織では、成果の出方が人によってバラバラになります。
その結果、こうなる。
・やり方が共有されない
・教育ができない
・マネージャーの指導が感覚になる
・会議が“詰め”か“報告”になる
組織として積み上がらず、いつまでも個人の戦いが続いてしまう。
これが、成果が伸びない本質です。
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問題3)営業マネジメントが「支援」ではなく「圧」になっている
営業会議が詰めの場になっていないか。
KPIが管理の道具になっていないか。
叱咤激励が仕事になっていないか。
追い込むほど、営業は弱くなります。
必要なのは、営業マンが迷いなく前に出られる環境づくりです。
つまり、営業マネージャーの役割自体が変わる必要があります。
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問題4)法人営業が「会社対会社」になっていない
法人営業は本来、会社対会社です。
しかし現場では、営業マン一人に顧客対応が集中し、力量で勝敗が決まってしまう。
その結果、顧客対応は不安定になり、信用も積み上がりにくい。
営業マンの負荷も上がり、さらに属人化が進む。
ここを放置すると、どれだけ頑張っても、組織として強くはなりません。
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実践の場について
ここまでの話は、理屈ではなく、現場で起きている現実です。
そして、この「営業を個人技から解放する」テーマは、私は実際に各所で実践の場として扱っています。
- 法人営業のための新規開拓“実践”セミナー(日本能率協会)
- 営業戦略の立て方と提案書の作り方(大阪府工業協会)
- 営業入門講座(初級編)(横浜商工会議所)
- プレーヤーとマネージャーを両立するための役割転換と実践(京都商工会議所)
- お客様ファーストで新規採用を広げる営業法(Aoba BBT株式会社)
もし、あなたの会社で
「属人化を減らしたい」「今いる営業マンで成果を安定させたい」
そう感じているなら、まずは状況を一度聞かせてください。
営業マン個人の問題ではなく、組織の設計側に論点があるケースがほとんどです。
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営業マンの問題ではなく、構造の問題かもしれません
では、自社はどうでしょうか。
営業は、本当に「仕組み」で動いているでしょうか。
それとも、特定の営業マンの力量に依存しているでしょうか。
重点ターゲットは明確でしょうか。
それとも、「とにかく訪問する」「とにかく案件を追う」状態になっていないでしょうか。
営業会議は、戦略を前に進める場になっているでしょうか。
数字報告と反省の場になっていないでしょうか。
マネージャーは、部下を管理する立場になっていないでしょうか。
本来果たすべき「支援」の役割を、十分に担えているでしょうか。
もし一つでも心当たりがあるなら、
問題は個人の能力ではなく、組織の構造にあるのかもしれません。
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営業構造を一度、客観的に整理してみたい経営者の方へ
ここまで読んでいただき、
「うちも属人化しているかもしれない」
「営業が頑張っているのに、なぜか安定しない」
そう感じた方もいるかもしれません。
多くの場合、問題は営業マン個人ではなく、
営業の設計や組織構造にあります。
まずは現状を一度、整理してみませんか。
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▶ 私がこの仕事をしている理由

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参考:上記セミナーURL
1.法人営業のための新規開拓“実践”セミナー(日本能率協会)
https://school.jma.or.jp/products/detail.php?product_id=1522792.営業戦略の立て方と提案書の作り方(大阪府工業協会)
https://www.opmia.jp/seminar/8505/3.営業入門講座(初級編)(横浜商工会議所)
https://ycci.seminarone.com/20250520jinzai/event4.プレーヤーとマネージャーを両立するための役割転換と実践(京都商工会議所)
https://www.kyo.or.jp/jinzai/seminar/a_general/sm_124991.html5.お客様ファーストで新規採用を広げる営業法(Aoba BBT株式会社)
https://player.aircamp.us/content/60810
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