私は営業コンサルタントとして、よく社長の方々とお話しする機会があります。その際、話の冒頭から認識がずれていることに気付くことがよくあります。
たとえば、「売上を増やしたい」という目標を持っていても、営業の強化に対する考え方が間違っていると、効果的な手段を講じることができません。
多くの社長が考える典型的な認識は、「売上は営業マンの能力次第だ」とか、「売れない営業マンをなんとかしてほしい」というものです。
もちろん、売上が伸び悩んでいる営業マンには育成支援を行い、成果を上げさせることが大切です。しかし、その前に、営業マン個々の育成を進めるための基盤として、売れる組織を作ることが重要です。
これは営業マンの仕事ではなく、社長の仕事なんです。
そのためには、まず社長の認識を変え、営業へのかかわり方を見直してもらう必要があります。そこで、私は初回の相談時に社長の認識を一致させるための話をします。
この話をすると社長も納得し、「では、我が社の営業を強化してください」と依頼されることが多いです。
今回は、営業の現場でよく見られる社長の勘違いについて考えてみましょう。例えば、「売れる営業マンと売れない営業マンがいるのが当たり前、売れる営業マンが売ればいい」、「営業マンは自分で考えて動くべきだ、それが営業というものだ」、「売れるお客様を見つけて売りに行くのが営業マンの仕事だ」といった考え方が、組織全体にどのような影響を与えるかを見ていきます。
売上は個々の営業マン次第だと考えている
社長の考え方: 営業の成果は各営業マンの能力や努力に依存するもので、売れる営業マンは売れて、売れない営業マンは売れないと考えています。このため、営業マンが独自の方法で成果を出すことが期待されます。
問題点: この考え方は、組織全体の営業活動が個々の営業マンのスキルに依存するため、安定した業績を維持するのが難しくなります。いわゆる営業の属人化を前提として認めてしまっているということです。
実際に営業は属人化しやすいものです。それが強みになる場合もあり、保険業界や広告業界などで抜群の成果を上げているスーパー営業マンの方は属人化の極みみたいなものです。けれど、この方たちのまねができる人はめったにいません。
じゃあ、こういう人たちを営業マンとして雇用すればよいという考えをされる社長もいらっしゃいますが、めったにいらっしゃらないのと、もしこの人たちを営業で雇用しようとすると年収?千万円を出さなければいけません。もし属人化した優秀な営業マンがいたとしても、退職した場合その影響は大きく、組織全体のパフォーマンスが低下するリスクがあります。
解決策: 営業プロセスの標準化と共通化を推進し、全員が成果を出せる組織を作り上げることが重要です。これにより、個々の営業マンに依存せず、全員が成果を上げることができる営業チームを形成できます。
営業プロセスには全く興味がなく関与しない
社長の考え方: 営業のプロセスや活動内容についての詳細な報告は必要なく、売上結果のみが重要だと考えています。このため、どのようにして成果が得られたのかが明確にされないことが多いです。
問題点: これも営業マンの属人化を容認してしまっているための考え方です。どんな営業をするのかは営業マン個人の腕次第だと考えています。育成と指導をできる人もいないというのも、実態としてあることが多いです。
営業活動の詳細が不透明だと、どの手法が効果的なのかが分からず、営業プロセスの改善が難しくなります。また、リソースの最適な配分ができず、営業マンの属人化が進むことで、売れる営業マンと売れない営業マンの格差が広がります。
解決策: 営業活動の透明性を高め、定期的な報告とフィードバックを取り入れることで、問題点を特定し、改善を図ることが可能になります。これにより、営業活動の効率化と成果の最大化が期待できます。
営業マンは自分で考えて動くものだと考えている
社長の考え方: 営業マンは自主性を持ち、自分の判断で行動すべきだと考えています。「それが営業マンだろう!」と考えています。そのため、営業マンが自分で見込み客を見つけ、商談を進め、クロージングするまでを独力で行うことが求められます。
社長が現役だった時代はそうだったかもしれません。また社長は元々能力もバイタリティも高い方が多いので、自分の力で開拓されてきたのだと思います。だから、営業マンに同じことを求めます。
けれど実際は、できない人にはできないんです。言われた通りにお勉強をして点数を取ってきた子は、この歳で急に自分で考えて自分で答えを見つけろと言われても、できないと思ってあげた方がいいんです。
問題点: 組織としての一貫した戦略が欠け、営業マンごとに異なるアプローチを取るため、営業活動が属人化し、成果のばらつきが生じやすくなります。経験の浅い営業マンが適切な判断を下せず、機会損失が発生することもあります。
解決策: 営業マンには自主性を持たせつつ、組織全体の戦略に基づいた統一的な営業トレーニングや指導を行うことが必要です。適切な指導とサポートにより、全員が効果的に活動できるようにします。
結局営業とは売上だろう、という売上至上主義
社長の考え方: 営業の成功は売上高で判断されるべきだと考え、売上が最重要指標とされています。このため、短期的な売上を重視し、顧客満足度や長期的な関係構築が疎かになりがちです。
問題点: 売上だけを追求すると、利益率の低いディスカウント戦略に依存しがちで、無理なセールスが増えて顧客の信頼を失うことがあります。さらに、新規顧客開拓に取り組む営業マンが正当に評価されないことがモチベーション低下につながる恐れがあります。
お得意様を担当している営業マンは当然売上が大きいので評価されることになります。そうするとその営業マンは満足してしまい、多少売り上げが減少しても気にせず、また新たな売上拡大のためのチャレンジをしなくなってしまう傾向があります。
営業マンが新規のお客様にアプローチしないと、社長が嘆かれていることも多いのですが、そもそもこのような評価をしてしまっているからということもあります。
解決策: 売上だけでなく、新規顧客の開拓成果や顧客満足度の向上など、長期的な成功に貢献する指標を重視することが重要です。新規顧客開拓と既存顧客との関係構築をバランスよく行うことで、持続可能な成長が可能になります。
まとめ
営業活動を個々の営業マンに任せきりにするのではなく、組織全体で一貫した戦略とサポートを提供することが大切です。
営業マンの評価を適切に行い、売上という成果指標だけでなく、経営方針や営業戦略に基づくプロセスも重視して評価と支援をすることで、営業マンのモチベーションを高め、組織全体の成果を向上させることができます。
ターゲット、適切なメッセージ、営業プロセス、行動計画の立て方を指導し、営業マンをスキルアップさせることで、全員が成果を出せる営業チームを作りましょう!
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