チームとして顧客の課題発見と解決力を高める方法

2.組織的な営業活動

顧客満足では採用されない

はじめに、現代ビジネスでは、顧客の満足度を高めるだけでは採用に至る動機にならないことが分かっています。

満足を超える、顧客に感動を与えることが企業の成功に直結しています。この感動を作る鍵は、顧客の課題を深く理解し、顧客も気づいていない理想の未来を示して、その実現のための適切な解決策を提供することにあります。

しかし、これを実現するには個々の努力だけでは不十分で、チーム全体で情報を共有し、協力して取り組む必要があります。

本稿では、チームとして顧客の課題を発見し、解決力を高める方法について、具体的なアプローチを探求します。情報共有と協力の重要性から、顧客の課題発見、解決策の提案まで、効果的な戦略を提案し、組織全体として顧客満足度とビジネスの成功に貢献する道を探ります。

 

1.チームとして機能させることの重要性

顧客の課題発見と解決策を提案する際、単なる営業マンの活動に頼るのではなく、チーム全体で協力し合う必要性が不可欠です。

営業マンに全てを任せてしまうと、個人の能力や視点に依存することになり、その結果、提案の幅や深さが限られてしまいます。さらに、一人のスタンドプレーに頼ることで、チーム全体としての知見やスキルの共有が行われず、成長機会の喪失につながる恐れがあります。

そして、スキルが属人化してしまうと、その人が不在の際に業務に支障を来たすことになり、組織全体のリスクが高まります。

 

これらの問題を避けるためには、以下のようなアプローチが有効です。

一つ目は、必要とされる情報の種類をチームで決定し、その情報がなぜ必要なのかを全員が理解し共有することです。これにより、情報が適切に活用され、目的に沿ったものとなります。

二つ目は、定期的なチームでのレビューやPDCAサイクルの実施です。これにより、進捗の確認と改善が継続的に行われます。

三つ目は、「くし型営業」や「スクラム型営業」のように、マネージャーや経営者、さらには開発や技術サービス、品質保証部門など、多岐にわたるステークホルダーが協力することの重要性です。

 

くし型営業/スクラム型取引 イメージ

 

これらのアプローチを通じて、チーム全体で顧客の課題を深く理解し、最適な解決策を提案することができるようになります。

顧客にとって真に価値のある提案を行うには、個々の能力を超えた集団としての協力が不可欠であり、これがチーム協力の本質的な価値を形成します。

最終的に、チームとして協力し合うことで、顧客の課題発見と解決策を作り出し、提案することが、現代のビジネスにおける成功の鍵となるのです。

 

2.顧客の課題発見へのアプローチ

法人向けのビジネスにおいて、顧客の真のニーズを理解し、適切な提案を行うことは、成功のために不可欠です。このプロセスの核となるのが、顧客の課題の洗い出しです。

顧客が示されている与件、顕在化している課題に対して解決提案しても採用されません。顧客の気づいていない、しかも顧客にとってよっぽど重要な課題を発見して解決のパートナーとなることが、唯一採用されるための方法です。

 

最重要ポイントは、経営者、マネージャー、そして担当者という異なる立場から見た3つの課題、すなわち「WHY」、「WHAT」、「HOW」正確に把握することです。

なぜなら、法人顧客は意思決定を合議制で行うため、異なる役職の人々がそれぞれの視点から製品やサービスを評価します。

  1. 経営者は「WHY」、つまり事業の根本的な目的や経営課題に対する解決策を求めます。
  2. マネージャーは「WHAT」、すなわち具体的な課題や目標に対して何をすべきかを重視します。
  3. 担当者は「HOW」、実際の作業手順やプロセスに焦点を当てます。

それぞれの立場に立った提案がなければ、全員の合意形成は難しくなります。

 

顧客が既に認識している課題を「顕在課題」と呼びますが、これに対する解決提案だけでは、競合他社との差別化が困難になります。低価格や過剰なサービスによる強引な受注戦略は、利益の少ない多忙な仕事につながることがあります。

したがって、顧客の「本質課題」、すなわち顧客が本当に解決したい深層の課題に焦点を当てる必要があります。これは、経営上最も重要な課題、経営者が実現したい経営方針や目標と関連しています。

 

この本質課題を見つけ出すには、顧客に関する徹底的な調査と、チーム全体での協力が必要です。

顧客の事業を深く理解し、課題に関する仮説を立て質問技術を磨き、検証を繰り返すことで、本質的な課題を明らかにできます。このプロセスを通じて、顧客との信頼関係を構築し、長期的な関係性を築くことが可能になります。

結論として、ビジネスにおいて成功を収めるためには、経営者の「WHY」、マネージャーの「WHAT」、担当者の「HOW」という、顧客の立場に応じた3つの課題を正確に把握し、これらを解決する提案を行うことが極めて重要です。このアプローチにより、顧客に真の価値を提供し、競合他社との差別化を図ることができます。

 

3.解決力を高める

解決力の真髄は、顧客の潜在的な課題を深く理解し、それに対する具体的な解決策を提供する能力にあります。このプロセスは、単に表面的な課題に対する即時の解答を超えるものでなければなりません。

経営層の「WHY」、つまり組織の目的や目標に対する深い課題、マネージャー層の「WHAT」、即ちそれらの目的を達成するために何をすべきかという課題、そして担当者層の「HOW」、具体的にその課題をどのように解決するかというアプローチ、これら三層の課題に対して包括的な解決策を提案することが求められます。

 

一般的に、営業交渉においては「HOW」、つまり解決手段の提供が最も問われがちです。しかしこのアプローチでは、顧客が既に意識している顕在課題に対する解決策を提案することになり、自社の提案が競合他社と差別化できない可能性が高くなります。これでは、自社の強みを生かした提案ができず、競争優位性を確立することが困難になります。

顧客の本質的な課題、すなわち「WHY」に焦点を当てた解決提案が必要です。これは、顧客自身が明確に意識していない深層の課題に光を当てることを意味します。このような提案を行う競合は少なく、顧客にとって自社が唯一無二の存在となります。このアプローチは、特に経営層の決裁者に直接訴えかけることができるため、提案の成功率を大幅に高めることができます。

「WHY」の解決に向けた顧客との合意を得た後は、「WHAT」と「HOW」をセットで提案します。「WHAT」では、顧客が直面している顕在課題ではなく、その根底にある本質課題を自社独自の視点から新たに提示します。そして、「HOW」では、その課題を解決するための自社の製品やサービスを提案します。この一連の流れが、顧客の「WHY」を満たすための解決策となり、競合他社との差別化に繋がります。

 

結論として、顧客の深層の課題を理解し、それを解決するための具体的な策を「WHY」、「WHAT」、「HOW」の三段階で組み立て、提案することが、現代のビジネス環境における解決力の核心です。このアプローチにより、競合他社との差別化を図り、顧客からの信頼と評価を勝ち取ることができるのです。

 

 

まとめ

課題解決営業、ソリューション営業が叫ばれて30年になりますが、今やそれだけでは顧客に感動してもらう価値は届けられません。現代のビジネス環境では、顧客の深層にある課題を発見し、それに対する包括的な解決策を提供することが、企業の競争力を左右します。

この過程では、顧客の経営層が直面している「WHY」、マネージャー層が抱える「WHAT」、そして担当者が取り組む「HOW」という三つの異なるレベルの課題に対応することが求められます。それぞれの課題に対する深い理解と、それに基づく解決策の提案は、顧客との信頼関係構築に不可欠です。

具体的な解決策を提供する際には、単に表面的な「HOW」にとどまらず、顧客が本質的に解決したい「WHY」から出発し、それを実現するための「WHAT」と「HOW」をセットで提案することが重要です。これにより、競合との差別化を図り、顧客にとって価値ある唯一無二のパートナーとなることができます。

結論として、企業は顧客の多層的な課題に対応し、それぞれに合わせた具体的かつ包括的な解決策を提供することで、競争優位性を確立し、持続可能な成長を実現することができるのです。

 

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