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社員何千人もの会社に勤めている、心が折れかけている20代の若者がいるということです。その若者はどうしたらよいのでしょうか?周りはどうしてあげればよいのでしょうか?
新規事業開発室で希望に燃えて企画をしたが、保守的な上司とその上司に頭を押さえられてしまって病みかけている。会社TOPの号令で発足している新規事業開発室であり、意気に感じて取り組んだが結局このままではなにもできそうにない。
成長を感じる
この若者のケースです、このままいても成長しそうにない、これは若者にとって辞めようと思う一番の理由になりえます。
原因は上司ですね。肩書がゴールになって保守的になってしまうという指摘があります。課長なら課長がゴール、部長なら部長がゴールになって、定年まで波風を立てたくない上司が、やる気のある若者の頭を押さえてしまっている場合です。
メンバーの成長をほめてあげる
成果より成長をほめろ、といいます。成果が出た〇、成果が出なかった×、のような結果でほめるより、そのプロセスや努力、そのことによる成長をほめてあげることが大切です。メンバーは成長している実感が自尊心を高め、積極的な姿勢で取り組み続けて成果を出します。
失敗させてあげる
成長させてあげたければチャレンジさせてあげなければいけません。失敗を恐れていてはチャレンジできません。上司も失敗を恐れていてはいけませんし、メンバーには上司がフォロウアップできる範囲でたくさんの失敗をさせてあげることが大切です。
成功の反対は成功しないこと、つまり何もしないことです。成功と同じ方向に失敗があります。だから成功させてあげたければ、失敗させてあげなければいけません。失敗する権利を与えてあげるのです。
失敗を恐れてチャレンジできないメンバーもいます。その時も失敗をする権利を与えてあげます。私もメンバーに言っていました、「あなたに私から失敗する権利を与えよう、チャレンジして失敗してきたら褒めてあげる。やって失敗しました、という報告を楽しみに待っているよ」と。
あくまで上司が飲み込める小さな失敗のことですよ。失敗を乗り越えるときに成長し、それを実感しながらチャレンジを続けさせてあげ、大きな成果を出させてあげましょうよ。
自尊心を高める
- 自己肯定感:自分は必要とされている人間だ、自分は大切なかけがいのない人間だ、と自分の存在を肯定する感情のこと
- 自己効力感:自分の能力に対する自信、自分はできる、だから当然に目標達成をすることができるという自己に対する信頼感
上記の、成長を実感することは最大の自尊心をあげることになります。
そして上司は普段からメンバーの自尊心を高めてあげなければいけないのに、メンバーの自尊心を傷つけてばかりの上司も多くいます。報告させては、できていないところを指摘して次の報告を求めるだけの上司です。
認める力
単純にね、上司はメンバーの自尊心を高めてあげなければいけません。認めてあげるんです。上司にはメンバーを認める力が必要です。認めてあげてください。
命令すれば復令し、実行して報連相をしっかり行い上司は支援する。これは1980年代までのマネジメントです。このようにさへして働いていれば、会社も成長して社員も出世しました。
今はそんな時代ではありません、変化に素早く対応して、一人一人が能力を最大限発揮しなければ勝ち残れない時代です。メンバーもただ命令に復令するだけの働き方を求めていません、成長を感じたいのです。上司に必要なことは、メンバーの強みを発見して認めてあげることです、強みを活かして成果を出させてあげることです。
あなたが上司なら、メンバーの強みを言えますか?メンバーの良いところを一人一人について100言えますか?どれだけたくさん言えますか?メンバーを認めてあげてください。
自分を好きになる
自尊心を高めるために、外部環境に頼っていたら弱いですね。上司によって自分の自尊心が左右されるのもつまらないことです。自尊心は自分で上げる、自分の機嫌は自分でとっていきましょう。
自尊心をあげるとは、1.自分を好きになること、2.自分の商品(仕事)を好きになること、3.自分の会社を好きになること、です。自分から積極的に好きになっていきましょう。
自分を好きになるためには、まずは自己の理想像を明確にしましょう。自分自身がこの先、こんな自分になれたらいいなあ、と言葉にしましょう。そして、自己の理想像に自我像を近づけていきます。その交差しているところが自尊心です、交差しているところが大きくなれば自尊心は高まります。
けれど多くの場合、理想像を持っていない人が多いのが現実です。自己の理想像を明確にするところから始めないと自尊心は高まりません。あなたはどんな理想像を持っていますか?もし言葉にできないなら、あの人みたいになりたい、と思う、「あの人」って、誰でしょうか?
近づけば近づくほど、自分のことが好きになります。I like myself!になりましょう。
自尊心を高める方程
3つの質問をします。
- 理想の人を挙げてください、先ずは一人。いろんな分野があるので3人までなら何人でもよいです。
- 続いてその人の名前の横に、その人をなぜ尊敬するのかの理由を書いてください。
- その人に近づくために今日からできることはないでしょうか?今から取り入れていくことは何でしょうか?
いかがですか?こうしてだんだんと自分のことを好きになってください!
従業員エンゲージメントを高める
自分の商品、仕事を好きになり、自分の会社を好きになりましょう、と書きました。そのためには会社の努力も必要になります。
エンゲージメントとは「深いかかわりあい」を意味します。愛社精神とはほとんど同じととらえてよいのですが厳密には少し違います。愛社精神は雇用する側とされる側という側面があり、ロイヤルティという言葉になります。
エンゲージメントには、顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントがあり、従業員エンゲージメントを高めると、労働生産性と営業利益率が上がることが数字で証明されています。
社員に、商品や仕事の理解を深めるような機会を多く作ったり、会社のことをよく理解してもらう機会を多く作ることが、企業側に求められる努力です。
採用時にもっと慎重に
これはそもその問題ですが、入口で間違っていることもあります、採用の部分です。
今の若者、特にやる気があって自分の人生の可能性に期待を持っている若者は、入社の段階で、その会社で一生働くとは思っていないことがあります。一つのキャリアと考えていて、どこかのタイミングでキャリアチェンジをすること前提で入社してきます。
まあ、入社するときにそんなことは言わずに入ってきますから、見分けることは難しいでしょうが。でもせっかくそのような前向きな若者が入ってきてくれたのなら、いつまでも働き続けてくれるうような強いエンゲージメントで結ばれる魅力的な会社でありたいですね。
もう一つは、入ってから、こんなはずじゃなかった、やっぱりやりたいことはこれじゃない、と辞めるケース。これは入った人と、採用した企業の両方に責任がありますね。
志望した側は、それが本当にやりたい仕事なのか?その会社で頑張れば本当にそんなチャンスが巡ってきそうか?と真剣勝負で会社を選ばなければいけませんね。
企業側も、採用部門のノルマに追われて、いいことを言ってよさそうな人物を採用してしまっていないか?ということですね。結局入ってから、そんなはずじゃなかった、と言って悩んで辞めていくなら、その若者も採用した企業にとっても損失ですからね。
最後に、辞めようかと考えている人に
辞めることがだめで、続けることが正解、ということではありません。
このまま働き続ける、その会社の中でどう働いていくか、または転職する、起業する、いろんな選択肢があります。正解探しではありません、その人が決めることです。
自分で決断されるための納得性を高めるために、少しでもお役立ちしたいというのが、このアドバイスです。
- 辞めたいと考えだした理由は自分に正直か?
- 何か思い込みはないか、情報不足はないか?
- 自分が本当にやりたいことは何か?
- もし辞めようと思うなら、今の会社に入った時の気持ちの整理はつくのか?
- このことに、誰が相談に乗ってくれるか?
一人で考え込まずに、話を聴いてくれる人に相談しながら、最後に自分で結論を出したらいいと思いますよ。
そして、もし再就職を考えているなら、再就職先を決めてから辞めるようにしたほうがいいですとアドバイスしておきますね。再就職する会社も、辞めた人が応募してくると、「訳ありで辞めたのではないか?」と思われることがあるらしいのでね、在職中の就職活動のほうが有利ですよ。
そして、就職していない時期があると、その間に厚生年金を国民年金に変えなければならなかったり、健康保険を国民健康保険に変えなければいけなかったりと、手続きも煩雑ですし抜け漏れのリスクもありますしね。
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