営業が最初に顧客を訪問する前に、何を調べなければいけないのか

0.営業の理解

営業の基本は、訪問前にお客様のことを徹底的に調べていくことです。なぜならば、事前にお客様の事業環境や課題を把握しておくことで、訪問時に具体的な提案や共感を示すことができ、信頼関係を築きやすくなるからです。

その一方で、お客様のことを調べずに訪問する営業マンもいます。これは論外で、このような営業マンは信頼を得られず、ビジネスチャンスを逃してしまうことが多いです。

今回は、訪問前に何を調べ、何を準備しなければいけないかについて考えてみましょう。

 

初回訪問時の営業シナリオ

営業活動において、訪問には毎回明確な目的があります。その目的を達成するために営業シナリオを策定し、準備を整えて臨むことが重要です。

念願のアポイントが取れ、訪問の機会を得たとき、どのような目的で訪問しますか?面談が終わったときに、お客様とどのような関係を築いていたいですか?これが訪問の目的となります。

何事にも目的が必要です。目的がなければ成果にはつながりません。特にお客様を訪問する際は、貴重な時間を割くことになるため、目的が明確であるほど準備も的確になり、面談時の振る舞いも目的に沿ったものとなり、狙った成果に結びつきます。

あなたは、念願のアポイントが取れたお客様の初回訪問で、どのような目的を設定しますか?その目的を持って臨むことが、成功への第一歩です。

 

1.訪問目的

法人営業における初回訪問では、いくつかの重要な目的を設定することが成功の鍵となります。まず第一に、信頼関係を築くことです。お客様に信頼される存在になるためには、誠実な態度と専門知識を示し、相手の話をしっかりと聞くことが重要です。

次に、お客様のニーズを正確にヒアリングすることが必要です。お客様の業務内容や現在抱えている課題について詳しく伺い、自社の製品やサービスがどのように役立つかを探していきます。

また、自社の強みや提供できる価値を明確に伝えることも初回訪問の重要な目的の一つです。お客様にとってどのようなメリットがあるのか、どのようなお悩みを解決することができるかの興味と期待を持ってもらうことを目指します。

最後に、次のステップを設定することが大切です。訪問の終わりには、次回の訪問日時を設定したり、必要な資料を送付する約束をするなど、具体的なアクションを決めることで、次に繋がる営業活動をスムーズに進めることができます。

これらのポイントを踏まえ、初回訪問に臨むことで、お客様との関係を深め、ビジネスチャンスを拡大していきましょう。

 

以下はそのシナリオのオーソドックスな例です。では、このシナリオの通りに初回訪問を成功させようとすると、事前にどのような情報を得ておきたいかを考えて行きましょう。

2. ラポールの形成

ラポールの形成とは、これから意見を交換して、お互いのためになる話をしましょう、という場を作ることです。

自己紹介とともに、「私たちはお客様の置かれている事業環境をこのように理解しています」という理解と共感を示すことが非常に有効です。お客様をここまで理解していますと伝えつつ、もっと知りたいので話を聞かせてほしいと興味を示していきます

お客様は、訪問してきた営業マンに対して、自分たちのことを調べて理解してくれていることに信頼感を寄せてくれます。興味を持っていることを歓迎して積極的に話をしてくれ、最初のこの話題で盛り上がることもあります。

お客様がひとしきり自社の置かれている環境について話をしてくれた後、ではお話を聞きましょうという場に前向きに移行することができます。そのためには、訪問前にできうる限りお客様の事業環境を理解しておかなければなりません。

事業環境とは、お客様の事業ドメインや経営戦略、お客様のSWOT分析を指します。またお客様の公開されている経営戦略とともに、大切にされている経営理念、社長のあいさつのお言葉などはしっかり理解しておくことは基本です。具体的には以下の情報を調べておく必要があります。

  • お客様の経営理念・経営方針
  • 社長の言葉と大切にされていること
  • お客様の業界と市場動向
  • お客様の主要製品やサービス
  • お客様の競合他社
  • お客様の最近のニュースやプレスリリース

 

3. 課題を聞き出す

次に、お客様の課題を聞き出す必要があります。これは、お客様が目指している姿と、それが実現できていない現実を明らかにすることです。

ただし、何も知らずに最初から聞くと、「そんなことも知らずに来たのか」と思われてしまうため、できるだけ事前に知っておく必要があります。

事前に知っておきたいのは、お客様の現在の取り組みとその背景にある事業課題です。具体的には以下の情報を収集します。

  • お客様の経営課題と重点課題
  • お客様の現在の取り組みやプロジェクト
  • お客様が目指しているビジョンや目標
  • 現在の取り組みがうまくいっていないという問題点

 

また、仮説を立てるためには以下の情報も必要です。

  • お客様の財務状況や業績データ
  • お客様の顧客層やターゲット市場
  • お客様のビジネスモデルや収益構造

 

これらの情報を元に仮説を立て、訪問時に提供できる解決策や自社の商品・サービスの強みを用意することが重要です。

事前に調べるべき情報とは、お客様の事業環境、経営課題、現在の取り組みとその背景、そして仮説を立てるための各種データです。これらの情報を徹底的に調査し、準備を整えることで、初回訪問が成功する確率を高めることができます。

 

 

以上のようにシナリオに沿って面談を行うとすると、初回訪問時に得ておきたい情報がはっきりしてきます。ではその情報の重要度と収集方法について考えてみましょう。

情報の重要度と具体的な収集方法

営業の基本は、訪問前にお客様のことを徹底的に調べておくことです。以下に、情報の重要度と具体的な収集方法をまとめました。優先順位を付けて、まずは簡単に実行できる方法から始めましょう。

 

1. お客様の主要製品やサービス

公式ウェブサイトの閲覧
お客様の公式ウェブサイトを確認し、製品やサービスのページをチェックしてください。これは簡単で、訪問前に必ず行うべき基本的な作業です。

カタログやパンフレットの入手
直接お客様にカタログやパンフレットを送ってもらうよう依頼してください。

 

2. お客様の最近のニュースやプレスリリース

公式ウェブサイトのニュースセクション
お客様の公式ウェブサイトのニュースセクションを確認してください。ここには最新の情報が掲載されています。

Googleアラートの設定
お客様の名前や関連キーワードでGoogleアラートを設定し、最新のニュースを自動で受け取るようにしてください。簡単で継続的に情報を得ることができます。

 

3. お客様の業界と市場動向

業界レポートの閲覧
経済産業省や日本経済新聞社のウェブサイトで業界レポートを探しましょう。業界全体の動向を把握するのに役立ちます。

専門誌や業界誌の購読
図書館やオンラインで専門誌や業界誌を探して読んでみてください。これも比較的簡単に始められます。

 

4. お客様の経営課題と重点課題

公式ウェブサイトの経営方針セクション
お客様の公式ウェブサイトで経営方針やミッションステートメントを確認しましょう。ここに重要な経営課題が記載されていることが多いです。

年次報告書や財務報告書の分析
ウェブサイトで公開されている年次報告書や財務報告書を読んでみてください。少し難しいかもしれませんが、経営の重点課題を把握するのに重要です。

 

5. お客様の競合他社

競合他社の公式ウェブサイトの閲覧
競合他社のウェブサイトを見て、製品やサービスを確認しましょう。自社の製品やサービスとの違いを理解するのに役立ちます。

オンラインのニュース記事やプレスリリース
競合他社に関する最新のニュース記事やプレスリリースを検索して確認してください。

 

6. お客様が目指しているビジョンや目標

公式ウェブサイトのミッションステートメントやビジョンページ
お客様の公式ウェブサイトでミッションステートメントやビジョンページを確認しましょう。

年次報告書や戦略計画書の分析
年次報告書や戦略計画書を読んで、目指しているビジョンや目標を把握しましょう。

 

7. お客様の現在の取り組みやプロジェクト

公式ウェブサイトのプロジェクト紹介ページ
お客様の公式ウェブサイトで現在のプロジェクト紹介ページを探してみましょう。

業界ニュースやプレスリリースの確認

 

また、調べるだけではなく、周りの人から聞きながら情報を得ていくことも大切です。例えば、そのお客様を紹介していただいた方から、事前にしっかりと情報をお聞きしておくことや、そのお客様に出入りしている業者さんとお知り合いだとすると、その業者さんからも情報を聞いておくことは大切になります。

 

ヒアリングで確認するべき内容

以下は、調べるだけでは出てこない、ヒヤリングによって入手したい情報です。それによって初めての面談の当日の商談シナリオやイメージも湧きやすくなります。

1. 次に会う面談者の組織・役割・人となり

  • 面談者が所属する部署とその役割
  • 面談者の経歴や性格、仕事の進め方
  • 面談者の業務上の関心事や優先事項

2. お客様の意思決定の関係者や役割、力関係

  • 意思決定に関与する他のキーパーソン
  • 各キーパーソンの役割と影響力
  • 社内での力関係や意見の違い

3. 現在の取り組みや課題

  • 面談者が現在進行中のプロジェクトや業務
  • 現在の取り組みで直面している課題や問題点
  • 他の部署やメンバーが抱えている困りごと

4. 上司や経営からの指示

  • 面談者やその部署が上司や経営陣から受けている指示
  • 経営方針や戦略に関連する具体的な目標や期待

5. 取り組みの進捗具合

  • 現在進行中のプロジェクトの進捗状況
  • 予定通りに進んでいるか、遅れや問題があるか

 

最低限入手しておきたい情報

ここまで書いてきましたが、ここまで完璧に事前に調べられないのが現実だと思います。では実際に訪問前にどれだけの情報を得てから面談に臨めばよいのでしょうか。

法人営業ではお客様の検討期間が長く、商談は何回にもわたって行われます。そのため、初回訪問前に最低限入手しておきたい情報は以下の通りです。

  • お客様の経営理念や方針、社長の言葉
  • お客様の主要製品やサービス
  • お客様の最近のニュースやプレスリリース
  • お客様の業界と市場動向
  • お客様の経営課題と重点課題

 

まとめ

事前に調べるべき情報とは、お客様の事業環境、経営課題、現在の取り組みとその背景、そして仮説を立てるための各種データです。これらの情報を徹底的に調査し、準備を整えることで、初回訪問が成功する確率を高めることができます。

プロとして成果を上げるには準備こそが大切です。しっかりと準備を行い、自信を持ってお客様との商談に臨みましょう。

 

さて、ここまでは訪問準備について説明しました。次に取り組むべきは、実際の訪問時にどのように面談を行うかという点です。このためには「商談シナリオ」を作成し、それに基づいて面談を進めることが重要です。次回は、この商談シナリオの具体的な作成方法について詳しく書かせていただきます。

そして
「今度お会いする人は、いい人だ!すばらしい人だ!」
「私は、どうしてもこの人のお役に立ちたいんだ!」
「私たちこそが、お客様のお役に立つんだ!」

という、喜びと楽しみでいっぱいのマインドを今からセットして、ありがたいありがたいチャンスをいただいたこの面談に、希望と貢献心いっぱいで臨みましょう!

それがお客様のためになり、採用していただき、会社の売上利益を作る営業です!

 

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