現場で「考えなくなっている人」を見ていると、その原因は個人の姿勢ではなく、組織のリーダーシップのあり方にあると感じることがあります。
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引っ張るリーダーシップが強い組織で起きやすいこと
リーダーシップが強いチームほど、とくに「指示命令型」「引っ張る型」のリーダーシップが強い場合、次のような空気が生まれやすくなります。
判断は上がする
現場は決められたことを正確に実行する
意見よりも事実報告が重視される
こうした運営自体が悪いわけではありません。
失敗が許されない仕事、
公共性が高い業務、
高い統制が求められる現場では、
このスタイルが合理的な場合も確かにあります。
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ただ、その環境が人に与える影響もあります
一方で、そうした環境に長く身を置いていると、人は次第に、こう考えるようになります。
「考えない方が安全だ」
「余計なことは言わない方がいい」
そして、考えることそのものを手放していく。
これは怠慢ではありません。
環境に適応した結果として、自然に身についてしまう“思考の癖”です。
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苦しくなる人と、楽になる人が分かれる
この状態は、すべての人にとって不幸かというと、必ずしもそうではありません。
現状維持を望む人、決められた枠の中で安定して働きたい人にとっては、むしろ楽な環境になることもあります。
しかし、
自分で考えたい
仕事に意味や手応えを感じたい
成長したい
そう思う人ほど、この環境は、少しずつ苦しくなっていきます。
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「支えるリーダーシップ」というもう一つの選択肢
そこで必要になるのが、支えるリーダーシップです。
支えるリーダーシップとは、
判断をすべて奪わない
意見を言う余地を残す
考えた結果を受け止め、フィードバックする
そうした関わり方です。
これは「優しいリーダー」になることではありません。
人が考え、育つ余地をつくるという、もう一つのマネジメントの形です。
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リーダーシップは「使い分け」が必要です
重要なのは、引っ張るリーダーシップが悪で、支えるリーダーシップが正解、という話ではありません。
状況によって、求められるリーダーシップは変わります。
危機対応では引っ張る
日常の仕事では支える
判断の訓練が必要な場面では任せる
使い分けることが、リーダーの役割だと私は思っています。
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マネージャーの立場にいる方へ
もし、あなたがマネージャーなら、部下にこう伝えてほしいと思います。
「事実だけでなく、あなたはどう考えたのかも、添えて報告してください」
その一言があるだけで、人は「考えていい」と感じられるようになります。
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今日の問い
最後に、ひとつだけ問いを置いておきます。
あなたの職場では、「考えること」は、奨励されていますか。それとも、抑えられていますか。
どちらが良いかを、ここで決める必要はありません。
ただ、自分がどちらの環境にいるのかを、一度だけ、立ち止まって考えてみてください。
それだけで、仕事の見え方は、少し変わってくるはずです。
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編集後記
この記事で書いている内容は、私自身が31年間、BtoB営業と営業マネジメントの現場で経験し、悩み、反省し、考え続けてきたことそのものです。
なぜ、今この仕事をしているのか。
何を大切にし、何を伝えたいのか。
その背景については、こちらに正直に書いています。
▶ 私がこの仕事をしている理由

営業やマネジメント、組織のあり方について、同じような違和感や課題を感じている場合は、こちらもご覧ください。
▶ JSMについて(プロフィール・支援内容)

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