こんにちは、JSMの中村昌雄です。
ここまで、
について解説してきました。
あなたはこう思われているかもしれません。
- じゃ、マーケティング戦略はどんな手順で作っていくの?
- 間違わない正しい策定方法は?コツは?
今回1-4では、あなたそのそんな疑問にお答えするために、実際のマーケティング戦略の策定手順について解説します。
あなたは、この記事を読めば正しいマーケティング戦略の策定手順を知り、自社の事業のマーケティング戦略の再構築をすることができるようになります。
私は一部上場企業でB2Bの営業とマネジメントを30年以上行ってきました。
いくつも担当した部門でもマーケティング戦略を策定して成果を出し、子会社の立て直しに2度出向した際にもマーケティング戦略の再構築を行って成果を出してきました。
ですから、実際のビジネス現場でのマーケティング戦略の策定方法と重要ポイント、コツについてお伝えすることができると思いますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
マーケティング戦略は3C分析
1-1と1-2で、この2つを解説しました。
ズバリ、マーケティング戦略を策定するとはこの重なった🌞を作ることです。
そのことを3C分析と言います。
そうなんです、今までマーケティングと戦略で説明していた3つの輪は、3C分析そのものなのです。
そのためにSWOT分析
それでは3C分析をするために何をしなければいけないか、それがSWOT分析です。
これは、内部環境を【強み】と【弱み】に分類し、外部環境を【機会】と【脅威】に分類して分析する手法です。
この【強み】と【機会】を掛け合わせることが、先ほどから書いている通り戦略そのものとなります。
強みを発見する
SWOT分析でのSとW、【強み】と【弱み】は、3C分析ではこの部分に当たります。
【強み】というのは、経営資源というのがありますね、ヒト・モノ・カネ・情報。
どんな知識や技術を持った人がいる、どんな商品がある、投資をする資金がある、どこどことの関係がある、などです。
B2Bで商品を販売することを事業とするならば、実際には商品の機能や性能、あるいは保有している知識、知見や技術、サービス体制や関連扱い商品などを【強み】として注目することになります。
ここを正確に見ることが大切です、戦略=【強み】×【機会】なのですから。
自社の【強み】を見逃すことがないように、特に経営資源の少ない企業や、これから伸ばしていこうとするまだ小さい事業では、ちょっとした強みも活用する必要がありますので慎重に強みを洗い出してください。
その内部環境を分析する過程で、【弱み】を見つけることになります。
一方で、ここが足りていないなあ、ライバルに比べて弱いなあ、というのが【弱み】です。
でも今どうしようもありません、【弱み】を認識することが大切なのです。
【弱み】を認識する目的は、負ける戦いをしないことなのです。
戦略で「負けるケンカはしない」と書きました。
負けるケンカはしない、避けるということです。
強い道具を持っていなかったり、ライバルの方が強い道具を持っているなら、そんな戦いの場所には行かないのです。
【弱み】を認識して、勝てないケンカを避ける、それを戦略と言います。
戦略性が強いというのは、その道具で勝てる場所に行くことです。
負ける場所には行かずに、勝てる場所に集中することです。
戦略性が弱いというのは、弱い道具しか持っていないのにノコノコ戦いに行って、ライバルにコテンパンに負けることです。
大切なことは、【弱み】の克服に過度にこだわるよりも、お客様をしっかり見つめ【強み】を作ることに注目することです。
機会を見据える
SWOT分析でのOとT、【機会】と【脅威】は、3C分析ではこの部分に当たります。
事業機会、販売機会を探すために外部環境の分析を行います。
行おうとしている事業、または売ろうとしている商品がお客様に役立つために、どこにニーズがあるのか、どんなニーズがあるのかを見定めるのです。
マクロ環境分析をおこなうマーケティングフレームワークとしてPEST分析が一般的に知られていますので載せておきます。
PEST分析とは、「Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)」を分析することです。4つの頭文字を取ってPEST分析と言います。
このような大きな視点での外部環境分析は、経営や事業の方向性を作るために使います。
例えば今なら大きくこのような外部環境がありますね。
- 2年前から中国とアメリカが覇権争いを正面切って行っているために国際経済が落ち込んでいる
- 加えてコロナで、自動車業界は落ち込んだ世界の生産数が数年は伸びないだろう
- しかしクリーンエネルギー自動車や、自動運転にかかわる分野では伸びるだろう
- デジタル業界は中国がいち早くコロナから立ち上がり、5Gの底固い投資もあり需要が続くだろう
- ICT・ロボティクス・AIの技術革新が急激に世の中を変えていくだろう
- 何をするにしてもデジタルが働き方や世の中を変えていくだろう。
企業経営や事業は、このような分析によって短期や中長期の経営計画、事業計画、商品戦略、技術戦略、営業戦略などを定めています。
けれど、国内の営業現場でのマーケティング戦略は、これらすべての分析をすることをもって策定するということではありません。
【機会】を見つけるために、【ニーズ】を見つけるために、お客様がおかれている外部環境を認識するという意味で大切なのです。
先ほど書いた外部環境だけでも
- ICTやAI・ロボティクスを手掛けている企業
- 中国向けに関連する事業をしている企業
- デジタル化に関連する事業をしている企業
- クリーンエネルギーや自動運転に関連する事業を行っている企業
には何かニーズがありそうだ、くらいは分かります。
それを背景に、細かく見て、具体的にお客様のニーズとしてしてつかんでいきます。
このニーズの細分化、具体化こそが、営業現場でのマーケティング戦略の策定における外部環境分析で重要になってきます。
ニーズとは、お客様が改善したいことです、的確にニーズをつかむことです。
お客様の欠乏や不満、それを解消するために求められていることです。
ちなみに、ニーズには顕在化しているニーズと、潜在的なニーズがあります。
既にお客様が「お困りごと」と認識しているニーズを顕在化しているニーズと言います。お客様が現在は「お困りごと」と感じていなかったり、どうせ解決できないと思っている問題の解決を潜在的なニーズと言います。
どちらもニーズです、しっかりニーズを認識しましょう。どちらのニーズにも売っていくことになりますが、その売り方については営業戦略やアカウント営業のところで解説していきますね。
さて、これもまた一方で分析を進めていくと【脅威】を見つけることになります。
先ほどの軽いPEST分析でも
- 自動車業界では従来車の量産や投資は見込めない
- ヨーロッパ経済の打撃は大きすぎる
- 中国とアメリカの経済摩擦はしばらく続くだろうがその影響から目をそらしてはいけない
くらいは分かってきますね。
だから、その関連のお客様向けには今まで通り買ってもらえないだろうと判断します。
そうです、【脅威】は避ける、というのが戦略になります。
そして【脅威】を分析する場面で使われるのがマイケル・ポーターが提唱している5F(ファイブフォース)分析というものです。
けれどこれは営業現場でのマーケティング戦略の策定では使わないですね。このフレームワークを覚えたり使わなければいけないと思わなくて結構です。
この5つの力です、一応書いておきます。
- 売り手の交渉力
- 買い手の交渉力
- 競争企業間の敵対関係
- 新規参入者の脅威
- 代替品の脅威
けれど事業をしよう、商品を売ろうとしたときに、何かしら自社に不都合な外部環境がありますので【脅威】として認識することは大切になります。
ライバルの会社の方が強い場所、自社の強みが活きなくなった場所です。
例えばこのように判断します。
差別化集中で付加価値をお客様に売っていこうとしているのに、コストのことしか言わないお客様がいたら、そのお客様は避けてどこか安く売るライバルに任せておこう。
そのニーズにはライバル企業の商品機能が圧倒的に優れていているから、その商談は避けて自社の商品サービスが勝てる別のニーズで商談をしに行く。
「コストで無理をして商談を取ろう」、「そこを何とか頑張り続けよう」、とは判断しないのです。
【脅威】は避ける、負ける場所に行かない、これが戦略です。
そのために【脅威】を認識することは大切になります。
戦略への正しい使い方
ここまで解説してきたSWOT分析と3C分析の関係はこのようになります。
【強み】と【機会】を掛け合わせる
これが戦略です。
3C分析の🌞の部分、【顧客】と【自社】が重なっている部分、【顧客のニーズ】と【自社の強み】が重なっている部分を定めることをマーケティング戦略の策定と言います。
この重なった部分は、自社の商品・サービス【強み】が、お客様に必要とされているニーズ【機会】なのです。
このニーズに対して、自社の強みを持った商品・サービスを売っていくことが戦略となります。
ライバルに負けない場所なのです、戦わずしても勝てる場所なんです。
【脅威】は避ける
負ける場所に行かない、これが戦略です。
【弱み】は補完する
ただし、今は【弱み】は避けて、【強み】に注目します。
実際のところ【弱み】はすぐに克服することは難しいのです。
【弱み】は中長期の戦略として必要なら補完していかなければいけません。
せっかく【強み】を持っていてもお客様の採用条件に乗らない決定的な【弱み】なら、何等か補完するなり、その部分は克服していく必要があります。
【強み】を強化していく、【弱み】を補完していく、このバランスが戦略です。
大切なことは、お客様のニーズに向き合い続けること、【強み】を強化し続けることです。
正しい戦略策定のために重要なこと
このフレームワークを知ったからと言って、「分かった、分かった」とすぐにマーケティング戦略が作れるものではありません。
正しくSWOT分析をして、正しく3C分析をするためには正しい理解と技術と訓練が必要になります。
そのために重要なポイントを下に3点解説します。
セットになっていてこそ【強み】と【機会】
この✖の部分は、【強み】でもなく、【機会】でもありません。
重なった部分、🌞の部分”だけ”が【強み】であり【機会】なのです。
いくら自社の商品やサービスが優れていると言っても、それが役立てるニーズがなければ【強み】にはなりません。
いくらお客様のニーズがあると言っても、自社の商品やサービスが役立つことができなければ【機会】にはなりません。
【強み】と【機会】が対になっていてこそ、要するにセットで🌞のところに収まっていてこそ、それは【強み】であり【機会】と言えます。
それこそがマーケティング戦略になります。
これほどくどく言っているのは、本当に戦略策定でここが命だからです。
何度も戦略策定を行ってきた私が、この部分は本当にお伝えしたい。
SWOT分析のフレームワークだけ知っていて、戦略の意味を理解できていない人は、✖で示した部分を、それぞれ【機会】ととらえたり【強み】ととらえる人がいます。
教えても、実際にSWOT分析をすると、できない人が多いのです。
これは理解と技術の問題です、いくつも事例をこなして身につけなければいけない能力なのです。
現実にそのような戦略リテラシーのない営業マネージャーがいます。
どうなるかといえば、
- 強みが活きないお客様にもニーズがあるからと売りに行かせて、ライバルに負けたり売れない
- 強みがあるからと手当たり次第にお客様に売りに行かせて、ニーズがないから売れない
- ニーズと強みがマッチしているからライバルが採用されているお客様に、新商品だから売りに行て来いと突撃命令を出して、何もならない
これは実例です、ですからマーケティング戦略の策定は本当に大切です。
マーケティング戦略を正しく策定出来れば、B2Bでの売上は確実に上がります。
【強み】と【機会】がセットになっていてこそ【強み】であり【機会】なのです。
場をしっかり見る
例えば戦略が論理的であれば、その戦略はお金で買えます、戦略のプロに頼めばいいです。
そして戦略が論理的であれば、プロが作れば同じ戦略ができ上ってきます。
しかし、実際にそうはなりません。なぜでしょうか?
それは、3Cの顧客・自社・競合をどう見るか、SWOTの強み・弱み・機会・脅威をどう見るか、が違ってくるからです。
ここで大切なのは、どのように見るか、その正確な見方と、判断です。
このどう見るかの違いが、戦略の違いになります。
あなたや、あなたの会社が、事業をしている場をどれだけ正確に見るかが重要になります。
そのためには、戦略というものを理解しておく必要があります。
顧客のニーズに向き合う
先ほど、このように書きました。
- 【弱み】は補完する
- 【強み】を強化していく、【弱み】を補完していく、このバランスが戦略
- 大切なことは、お客様のニーズに向き合い続けること、【強み】を強化し続けること
お客様のニーズを満たすための【強み】を作っていくことがマーケティング戦略で大切になってきます。
【弱み】に注目するということは、競合に注目することと一緒です。
競合を正確に見て評価することは大切ですが、過度にライバル視して自社が負けているからと、競合と同じ商品を作ることに集中するのは間違いです。
それは今の世の中のニーズをライバルと取り合うことにすぎないからです。
そして競合を追いかけるためにリソースも時間も取れれてしまい、新たな強みを作ることが後回しになってしまいます。
世の中をもっともっと良くしていくためには、新しいニーズに応える、新しいニーズに応えるといった【強み】を作り続けることが大切です。
3C分析とは、変化の速い顧客と自社と競合の関係の中で、こまめに戦略オペレーションをしていくことだといわれます。
大切なのは、変化の速いこの時代にどんどん出てくる【お客様の新たなニーズ】に真剣に向き合い続け、応じ続けることです。
それは【強み】となり、ライバルが真似できない、追いつくことができないポジションを作ることとなります。
競合を見るより、顧客のニーズと真剣に向き合うことこそが大切です。
貴重な示唆になることを書きますね。
だから競合ばかりを見ずに、お客様を見てニーズに向き合い【強み】を作ることが大切なのです。
ポジションと書きました、STP(セグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニング)というマーケティングのフレームワークがあります。
これはまた詳しく営業戦略策定のところで解説していきますね。
それでは今回のまとめです。
あなたの会社もマーケティング戦略をしっかし策定し、ICHIGAN組織となって売上を上げていきましょう!
ここまで読んでいただきましてありがとうございました。
あなたのような会社にB2B営業を支援する仕事をさせていただいています。
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