多くの企業が言う。
「新規をやれ」
「次の柱を作れ」
「既存依存から脱却せよ」
経営方針としては正しい。
だが現場の評価構造はどうなっているか。
ここに、営業が変わらない本当の理由がある。
ー
組織には二つの動きがある
企業活動には大きく二つの動きがある。
ひとつは、既存市場・既存顧客を深め、効率化し、規模を拡大する動き。
もうひとつは、新規市場・新規顧客に挑み、未来の柱をつくる動き。
前者は安定を生む。
後者は未来を生む。
経営理論では、これを「両利きの経営」と呼ぶ。
深化(既存の強化)と探索(新たな創出)である。
理屈では、両方が必要だ。
だが現実はどうか。
ー
出世しているのは、どちら側か
多くの組織で、出世しているのは深化側の人材である。
・既存顧客で大きな売上を作った
・安定した前年比を積み上げた
・既存事業を効率化した
これは価値である。否定しない。
しかし、探索側――
・新規顧客を開拓した
・競合を切り替えた
・新市場で5億を作った
この成果は、しばしば「規模が小さい」として相対評価で埋もれる。
100億を回す既存部門と、
5億の新規開拓。
数字だけ見れば、前者が勝つ。
だが未来はどちらから生まれるか。
ー
評価制度はどちらに最適化されているか
多くの企業は、
・売上規模
・前年比
・安定性
・リスクの低さ
で人を評価する。
これは深化に最適化された制度である。
探索は本質的に、
・不確実
・小規模から始まる
・失敗が前提
である。
制度が深化最適化のままでは、
探索は掛け声で終わる。
ー
なぜ営業は変わらないのか
第1回で書いた。
営業は科学されていない。
第2回で書いた。
指導できる構造がない。
そして今回見えてくるのは、
評価制度が探索を支えていないという事実である。
探索が正当に評価されなければ、
・新規挑戦は減る
・勝ちパターンは蓄積されない
・属人化は固定される
営業が再現性を持たない背景には、
この評価思想が横たわっている。
ー
「両方やれ」は簡単だ
経営は言う。
「深化も探索も両方やれ」
正しい。
だが、両方を評価しているか。
探索に挑んだ人材が、
安心して挑戦を続けられる制度になっているか。
ここを設計しない限り、
両利きは実装されない。
ー
経営者に問う
営業を変えたい。
組織を再現性のある構造にしたい。
そう考えるなら、
営業手法よりも先に問うべきことがある。
あなたの組織は、
深化だけで人を測っていないか。
探索を制度として支えているか。
ここを設計し直さない限り、
営業の属人化は止まらない。
ー
私はこう考える。
両利きとは戦略ではない。
評価思想である。
探索を評価しない組織に、
未来は生まれない。
ここが分岐点だ。
編集後記
この記事で書いている内容は、私自身が31年間、BtoB営業と営業マネジメントの現場で経験し、悩み、反省し、考え続けてきたことそのものです。
なぜ、今この仕事をしているのか。
何を大切にし、何を伝えたいのか。
その背景については、こちらに正直に書いています。
▶ 私がこの仕事をしている理由

営業やマネジメント、組織のあり方について、同じような違和感や課題を感じている場合は、こちらもご覧ください。
▶ JSMについて(プロフィール・支援内容)

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