判断軸は、最初からあるものではありません。
少なくとも、私にはありませんでした。
ーー
係長の言う通りにやっていた
入社して三年目くらいまでは、
私は係長の言う通りに営業をしていました。
商品を勉強しなさい。
デモンストレーションをしなさい。
担当のお客様を満遍なく回りなさい。
帰ってきたら報告しなさい。
素直にやりました。
訪問回数も増やしました。
商品知識も身につけました。
言われたことは、きちんとやっていました。
でも――
売れませんでした。
ー
何かが違う
「こんなにやっているのに、なぜ売れないのか」
そこで初めて疑いました。
もしかして、
上司の言う通りにやることが
正解ではないのではないか。
三年目の終わり頃、
私は基準を変えました。
ー
上司ではなく、お客様を見る
上司の顔色を見るのをやめました。
代わりに、
「このお客様にとって、何が本当に意味があるのか」
そればかりを考えるようになりました。
すると、行動が変わりました。
人当たりの良いお客様ばかりを回るのではなく、
競合を多く使っているお客様へ。
難しそうな先へ。
少し怖いと感じる相手のところへ。
ー
行動が変わると、結果も変わる
不思議なことに、
そこから少しずつ成果が出始めました。
誰もが難しいと思っていた商談が動き、
大きな案件が決まりました。
あのとき気づいたのです。
成果が出たから自信がついたのではありません。
基準を変えたから、行動が変わった。
そして、その行動が結果を連れてきた。
ー
判断軸は「成果」ではなく「基準」から生まれる
多くの人は、
成果が出てから自信が生まれると思っています。
でも本当は逆です。
自分の基準を持ち、
その基準で動き始めたとき、
判断軸は作られます。
私の場合、それは
「上司にどう見られるか」ではなく、
「お客様にとって何が正しいか」でした。
ー
サラリーマンのプロとは
判断軸とは、
会社の評価基準のことではありません。
自分が何を優先するかという基準です。
それができたとき、
迷い方が変わります。
そして行動が変わります。
私は、あの三年目の転換が
自分の判断軸の始まりだったと思っています。
ー
最後に
判断軸は、
ある日突然完成するものではありません。
悩み、疑い、試し、
少しずつ形になっていくものです。
そして一度できると、
役職が変わっても、
環境が変わっても、
自分を支えてくれます。
次は、
その判断軸を持ちながら
組織の中でどう戦うか。
そこに進みます。
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編集後記
この記事で書いている内容は、私自身が31年間、BtoB営業と営業マネジメントの現場で経験し、悩み、反省し、考え続けてきたことそのものです。
なぜ、今この仕事をしているのか。
何を大切にし、何を伝えたいのか。
その背景については、こちらに正直に書いています。
▶ 私がこの仕事をしている理由

営業やマネジメント、組織のあり方について、同じような違和感や課題を感じている場合は、こちらもご覧ください。
▶ JSMについて(プロフィール・支援内容)

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