営業力アップはまだ早い? 売上計画・管理ができていない会社の落とし穴

2.組織的な営業活動

― 基盤を整えてからこそ、営業研修・営業力強化が成果につながる ―

私は営業コンサルティングや営業研修を通じて、組織営業のマネジメントやリーダーシップ強化、営業戦略・マーケティング戦略づくり、営業チーム育成、営業マン研修などを行っています。

日々、多くの企業、とりわけ中小企業の経営者と接していて強く感じることがあります。それは、「営業力を高める」「営業マネジメントを強化する」以前に、そもそも会社として売上を上げる姿勢や体制が整っていないケースが非常に多いということです。

多くの経営者は「売上が伸びないのは営業力不足のせいだ」と考えがちです。
しかし実際には、営業マンの力を強化する以前に、会社として売上を上げるための仕組みや土台が欠けていることが原因となっているケースが少なくありません。

私は、会社が本当に成果を出すために必要な要素を 6つのセグメント(計30項目) に整理しました。
今回から順番に解説していきますが、その最初のテーマが 「売上計画・管理」 です。

この診断を一通り終えることで、自社の「売上を上げる基盤」が整っているかを確認できます。
そして次のステップでは、真の「営業力診断」へと進み、組織営業がどれほど機能しているかを明らかにします。さらにその先には、営業部門のマネジメント診断が続きます。

つまり、このシリーズを通してチェックを進めていくことで、

  1. 会社としての売上アップ体制
  2. 営業力(組織営業力)の実力
  3. 営業マネジメントの強化ポイント

を段階的に明らかにできるのです。

今回はその第一歩として、「売上計画・管理」ができているかどうかを具体的に見ていきましょう。

営業力以前の問題

「売上が伸びない」「今期は赤字だ」と相談される企業は少なくありません。しかしよく聞いてみると、営業活動や組織づくり以前の問題、つまり 経営そのものが売上を本気で上げるための姿勢を取っているのかどうか が問われる場面が多いのです。

社員エンゲージメントやサービス改善、コスト削減、企業理念の浸透などの取り組みは大切です。ですが、それが「売上を上げるための具体策」に結びついていなければ、結局“気持ち”だけで終わってしまいます。

経営者自身も「何をしたらいいのか」「コンサルに何を頼めばいいのか」が見えていない場合があります。そのため、コンサルティングや営業研修の必要性が理解できなく、ポカンとされてしまいます。要するに 勘どころがない状態 なのです。

 

環境変化が突きつける現実

今までは、既存のお客様と取引を続けるだけで経営は成り立っていました。しかし今は状況が大きく変わっています。

  • 事業環境は厳しく、顧客も苦しい
  • 既存顧客は離れていきやすい
  • 競争は激化し、従来の強みはもはや通用しない
  • ニーズが変わり、新しいソリューションや技術が求められている

従来型の事業や商品は汎用化・一般化し、差別化が難しくなっています。これから必要なのは 新しいニーズに対応するための変革 です。

 

売上体制を整えるためのチェックリスト

そこで私は、営業力や人材育成に入る前に、まず「会社として売上を上げる体制があるのか」を確認できるチェックリストを作成しました。

6つのセグメント × 各5項目、合計30項目です。

  1. 売上計画・管理
  2. 戦略・商品・市場理解
  3. 営業体制・組織づくり
  4. マネジメント・人材育成
  5. 営業活動の質
  6. 新規顧客開拓

このチェックを通じて、「できていないこと」「これからやらなければならないこと」が明確になります。

今回のテーマ:売上計画・管理

最初のテーマは「売上計画・管理」です。これは営業活動以前に、経営の“本気度”が最も表れる領域です。

例えば昨年の売上が10億円だったとします。今年12億円を目標とするなら、その時点で「2億円をどう積み上げるのか」という計画が必要です。

  • どの商品・サービスで伸ばすのか
  • どの顧客・どのエリアで積み上げるのか
  • そのためにどんな作戦を打つのか

「ただ12億と言っただけ」で、内訳も戦略もない状態では、結果は成り行き任せです。

また、年間予算だけでなく 月次の売上予算 を組んでいなければPDCAは回せません。法人営業では突然売上が跳ね上がることはなく、見込み案件を管理していなければ翌月以降の予測も立ちません。

つまり、「売上計画・管理」が整っているかどうかが、経営の本気度を映す鏡なのです。

 

売上計画・管理のチェック表

具体的には、次の5項目で確認できるようにしています。
ぜひご自身の会社に当てはめてチェックしてみてください。

 

全体像を可視化するレーダーチャート

さらに6つのセグメントすべてをチェックすると、次のようなレーダーチャートで自社の“売上体制の現在地”を把握できるようになります。


まとめ

営業力や人材育成に取り組む前に、まずは会社として「売上を上げる体制」が整っているかを確認すべきです。その第一歩が「売上計画・管理」。

  • 内訳をもった売上予算を立てる
  • 月次に落とし込む
  • 見込みを把握する
  • PDCAを回す

この基本ができて初めて、営業組織やマネジメント強化が生きてきます。

👉 チェックリストを活用して、まずは「売上計画・管理」が整っているかどうかを確認してみてください。

 

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